一軍では6年間で41安打、6本塁打にとどまっていたが、中日ではここまでホームランこそないものの早くもキャリアハイを更新する28安打、14打点をマークしている。長打力不足のチームにとっては救世主的な存在だけに、今後も得点源としての活躍に期待だ。

 二軍の帝王と呼ばれた選手はそのまま一軍では結果を残せずに選手生命を終えるケースが多い印象を受けるが、最後に紹介した細川のように何かのきっかけで一気に才能が開花する選手も確かに存在している。今回紹介した選手たちも残されたチャンスをつかみ、一軍に定着することを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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