
プロレスラーは対戦相手とともにファンや世間との“戦い”も求められる。勝ち続けても見る人を置き去りにするような戦い方をしてしまうプロレスラーは一流と呼べない。逆に勝てなくてもインパクトを残すことができれば、名レスラーとして語り継がれる。
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そして、リング内外で名言を残すのもトップレスラーとして重要な要素の一つである。男子ではアントニオ猪木を筆頭に、ジャイアント馬場、長州力、前田日明など多くのレスラーたちが未だにファンの間で語り継がれるような名言を残してきたが、女子プロレス界にもそれに負けない印象深いものも存在する。そこで今回はそんな女子プロレスラーたちが発した記憶に残る言葉を振り返ってみたい。
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●北斗晶(全日本女子など)
女子プロレス界で生まれた名言も数多いが、その中で“際立つ”ものを多く残したのが北斗晶。現役引退後はタレントに転身して成功し、『鬼嫁』として世間一般に幅広く知られる存在となった。バラエティ番組に呼ばれる理由の1つであるコメント力は、現役時代から飛び抜けていた。のちの芸能界成功の予兆だったのかもしれない。
「神取、聞いてるか。お前にはプロレスの心が無い!プロレスはプロレスを愛する者にしかできない。柔道かぶれのお前に負けてたまるか!」
1993年4月2日、横浜アリーナで神取忍とシングルマッチが行われた。北斗は柔道家として数々の実績を残してプロレスに転向した神取を死闘の末に破ったが、「これで終わりじゃねえぞ」と吐き捨てた神取に対して答えたものだ。
「最強じゃないよ……いったい何が起こったのか、勝ったのか負けたのかわからないが……あの柔道かぶれにだけは絶対に負けない、絶対に負けない」
試合後の控室、「神取選手に勝ったのだから、プロレス界最強を名乗っても良いでしょう」と聞かれると噛み締めるようにコメントした。最後までプロレスラーとしてのプライドを誇示した言葉、姿勢が印象的だった。