そんなメメが、母が死んだ直後から、あれほど好きだった庭に出ずに、一日中、家にこもるようになったんです。しかも、ひどい人見知りだったのに、お客さんが来ても逃げるどころか自ら近寄るようになって、まさになりふり構わず、なりかまメメです。
この変化はなんだ?と思ったのですが、ある日、訪ねてきた異母姉がこういったんです。
「いつか母ちゃんが現れると思って、メメは出かけずに家でずっと待ってるんだよ。出かけたら会えないでしょ」
胸が熱くなりました。忠犬ハチ公のようではないですか。お客さんに近寄っていくのも、「ねえ、母ちゃんがどこいったか知ってる?」と聞くためだったのかもしれません……。

■嫌われチャッペーとふたりになって
猫たちもいつしかシニアになり、母猫チョンまねが2018年に、タマが19年に、そしてメメが昨年旅立ちました。今、残っているのはチャッペーで、先日20歳になりました。
チャッペーは猫家族(チョンまね一家)の唯一の雄で、優しい性格です。
私が腹痛で苦しんでいる時は近くに来て、心配そうに鳴いて様子を見てくれます。でもほかの猫に嫌われていました。
タマとは、餌を横取りされたとか、ストーブの席の取り合いでよくけんかをしていました。タマはずるいとこがあり、チャッペーに自分の背などなめさせ、きれいになった頃を見計らって猫パンチを浴びせ、チャッペーが驚いている隙に逃げていました。チョンまねもメメもなぜかチャッペーを嫌っていたけど、頻繁にちょっかいを出すから、嫌がられたのもしれません。
そんな嫌われチャッペ―も今は私とふたり……。触れ合いの時間も密度も濃くなりました。

上の犬歯がなく、ごはんはドライでなく缶詰やチュールが中心です。食餌(しょくじ)とトイレ以外の時間はほぼ寝ています。
夜は私の布団に入るのですが、私のアゴをかじります。強くかじりすぎると、「まずい、はたかれる!」と思うのか耳を後ろに倒し、はたかれる準備をして待ちます。最近、はたかれることに喜びを感じているのでは?なんて思う時も(笑)。雌猫たちに散々嫌われたチャッペーなので、晩年の今、もちろん優しくしていますけど、やっぱりどこか抜けた面白い猫です。