アイルランド代表SOのジョニー・セクストンは108キャップ、ウェールズ代表SOのダン・ビガーも102キャップ。ともにキャプテンも務める経験豊富な司令塔の存在は、この夏の両チームの歴史的勝利の大きな原動力となった。イングランド代表のスミスは1年前に初キャップを獲得したばかりだが、今年の6カ国対抗も全試合出場とすっかり定着している。
実戦を通じてチームを練り上げる機会はライバルに比べて決して恵まれているとは言えないだけに、今年秋からはチームの軸を絞り込んでいく必要があるだろう。
オールブラックスとの第3テストの後半、アイルランド代表はラインアウトのモールから攻め、黒い防御の壁を突き破った途中出場のロブ・ヘアリーは、片手ながら確実にグラウディングして、歴史に残るテストマッチシリーズ勝ち越しを決定付けるトライを奪った。
個々の選手の一つひとつのプレー精度の違いが、大一番で新たな歴史を作れるか否かを分けることになる。桜の戦士たちの一層のレベルアップに期待したい。