計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。パーソナルトレーニングジム「ボクノジム」経営。モットーは「2か月後の減量よりも1年後の健康」。
計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。パーソナルトレーニングジム「ボクノジム」経営。モットーは「2か月後の減量よりも1年後の健康」。

■「体重」ではなく「脂肪」を減らすことを目的にする

 「1カ月で3kg以上やせられる」と思わせるような情報も、現実的ではないと考えてください。ご存じの方も多いと思いますが、脂肪を1kg減らすためには約7200kcalのエネルギー消費が必要です。1時間のランニングで消費されるエネルギーが500kcalほど。つまり、脂肪を3kg減らすためには2万1600kcal(7200kcal×3)のエネルギー消費が必要となり、ランニングに換算すると43時間に相当します。1カ月で達成するには相当な努力が必要で、多くの人にとって現実的な数値だとは言えません。

 こうした短期的なダイエット成果をうたったコンテンツは、本来、目的とすべき「脂肪の分解」だけではなく、極端な食事制限など、さまざまな要素を足し合わせた結果であることを理解しておく必要があります。そして、そうしたやせ方はリバウンドしやすい傾向にもあります。

「体重」ではなく「脂肪」を減らすことに焦点を絞って情報を集めるだけでも、ダイエット脳はすっきりするのではないでしょうか。

■自分に必要な情報を効果的に活用しよう

 誤解がないよう書き加えておきますが、YouTubeやSNSにあるすべての情報を否定するつもりはありません。参考にできる、有益な情報もたくさんあります。ただ、情報の一部分だけを切り取ってしまうと、「最小限の努力で、短期に、簡単にダイエットができる」という勘違いを生む可能性があることは、つねに頭の片隅に置いておきたいものです。大切なのはすべての情報をうのみにせず、その内容をしっかりと精査すること。自分に必要な情報だけを、部分的に活用するようにしましょう。

■【健康的にやせるための5カ条】をインストール

 さて、情報が整理されてクリアになったダイエット脳には、以下の“5カ条”をインストールしてください。

(1) 食事を減らすにも限度がある

(2) 少しずつしかやせられない

(3) 「やせ」に固執しない

(4) 無理してやせても幸せにはなれない

(5) やせていなくても幸せになれる

 これはダイエットに取り組むすべての人に、最低限押さえておいてほしい原理原則です。過去にダイエットで悩んだ経験がある人は、紙に書いて目の付く場所に貼り、いつでも冷静な判断ができるようにしておくことをおすすめします。

 この原理原則を無視して「ただやせる」「ただ体重を落とす」ことを追い求める短期ダイエットには、相応のリスクが伴います。急激に摂取カロリーを減らすと基礎代謝も落ちてしまい、以前の食生活に戻したとしてもすぐに代謝量は回復しません。栄養の補充や筋肉のリカバリーにも多大な努力を要します。

 なにより、無理な食事制限をしてやせたとしても、その体重を維持するために摂取カロリーを抑えた食事制限を続けることで、果たしてその人は幸せになれるでしょうか。冷静な判断ができれば、ダイエットは長期的な計画のもとで取り組み、ゆっくりとやせることが一番なのだ、という考えにたどり着くはずです。

 今回はダイエット情報との接し方と、健康的にやせるための原理原則について紹介しました。YouTubeやSNSにある情報は、付き合い方を間違えなければ、ダイエット生活を有益なものにしてくれます。地雷を避け、効果的に活用して、ぜひダイエット脳をリフレッシュさせてください。

 理想の体形を目指す方法は体重を落とすことだけではありません。やせることだけがボディーメイクでもありません。体重に固執することはやめ、ゆっくりと時間をかけて、肉体にも精神にも健康的なダイエットを実践してください。

(構成:加藤 徹)

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