プロ野球のヒーローインタビューは、「勝利に貢献できて良かったです」「頑張ります」等、無難なコメントが多いが、時には本人が意図しないところで“失言認定”を受けてしまうこともある。
新人投手の発言が「受け止め方によっては失礼」と物議を醸したのが2002年。
当時ダイエーのルーキーだった杉内俊哉は、プロデビュー戦の4月1日のロッテ戦で、7回途中まで1失点に抑え、見事プロ初勝利を挙げた。
ところが、杉内が試合後のインタビューで、前夜、同じ1980年生まれの西武のエース・松坂大輔から「普通にやれば勝てる」とアドバイスされたエピソードを披露したことから、話がおかしくなる。「ロッテは普通にやれば勝てる相手」と言われたように感じ、カチンと来たファンもいたからだ。
期待の即戦力左腕はデビュー早々、別の意味でプロの厳しさを味わう羽目になった。
だが、話はこれだけでは終わらなかった。
球団名がソフトバンクに変わった10年後、またしてもホークスのルーキーがロッテ相手に微妙な発言を口にしてしまう。
12年7月28日のロッテ戦、デビューから12イニング連続無失点を続けていたソフトバンクの19歳右腕・武田翔太は1回、ホワイトセルに中前タイムリーを浴び、プロ初失点を記録した。
試合後、武田は失点について「普通にやれば打たれない相手」と強心臓ルーキーらしい発言をしたが、これまた、10年前の杉内同様の理由で、一部のファンから顰蹙を買ってしまう。
当人にそのつもりはなくても、相手に対する配慮を欠いていると思われるケースもあるので、発言内容には要注意だ。
謙虚な物言いがネガティブと受け止められ、スタンドのファンから“ダメ出し”されたのが、日本ハム時代の稲葉篤紀だ。
11年10月11日の西武戦、稲葉は4回に先制2ランを放ち、3安打完封勝利のダルビッシュ有とともに、CS進出条件の3位以内を確定させる立役者になった。