「前回の参院選で山田氏が54万票を集めましたが、山田氏の個人票かもしれないという疑念はありました。今回、当初は郵便局長会の支持を受ける長谷川氏のほうが票が集まるだろうという見方もありましたが、赤松氏が53万票でトップ。自民党の中で最も票を集めるのがオタクであることが証明された画期的な選挙となりました。オタク票はまだ開拓の余地があり、今後、増えていく可能性はあります。もはや無視できない政治勢力です」
潜在的なオタク票はどれくらいあるのだろうか?
19年の参院選で山田氏が54万票、そして今回の参院選で赤松氏が53万票を集めたことで、50万以上のオタク票があるという見立てもあるが、赤松氏は「そこまではない」と見る。
赤松氏が参院選後に、赤松氏に投票した有権者を対象にツイッターで実施したアンケートによると、「3年前の山田太郎さんに投票した」のは55.2%にとどまった。また、「なぜ赤松健に投票したか(一番近いものを)」の問いには、「表現規制に反対しているから」がトップで69.5%、「政策に期待しているから(マンガ外交など)」が22.3%、「赤松健のファンだから(赤松健の作品が好き)」は6.7%にとどまった。
赤松議員はこう言う。
「アンケート結果を見ても、53万票のうち半分は山田さんから受け継いだと思いますが、もう半分は私独自の支援者のように感じています。オタク票は20万票くらいではないでしょうか。オタクの候補者であれば、誰でも票が集まるかというとそうではない。厳しくこれまでの実績が見られています。組織票とは違うので、謙虚に頑張っていかないと霧のようになくなるもののように思っています」
とはいえ、オタクの力、もはや侮ることなかれ。
(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)