巨人の中島宏之(球団提供)
巨人の中島宏之(球団提供)
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 巨人が最下位転落の危機を迎えている。V奪回を掲げた今季は3,4月に20勝11敗とスタートダッシュに成功したが、5月以降は低空飛行に。不動の遊撃手だった坂本勇人が度重なる故障で戦線離脱し、絶対的エースだった菅野智之にも衰えが見える。救援陣は「勝利の方程式」が組み立てられず、課題が山積している状況だ。25日時点で借金は6に。首位・ヤクルトに12ゲーム差とV逸は決定的な状況で、2位・DeNAにも8ゲームの大差をつけられている。一方で最下位・中日は2.5ゲーム差だ。

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「巨人は主力選手が高齢化を迎え、若返りを図る時期がきている。今オフはチーム刷新をしなければいけないでしょう。結果を出していないベテラン勢、助っ人外国人は厳しい立場に追い込まれている。来季の契約を結べるか、残り試合が少なくなってきましたが1軍の舞台でアピールしなければいけない。彼らにとっては毎試合、全ての打席が野球人生をかけた正念場です」(スポーツ紙記者)

 今月19日に1軍昇格したのがゼラス・ウィーラーだった。勝負強さとパンチ力に定評があり楽天、巨人で計7年間プレーしたが、今季はグレゴリー・ポランコとアダム・ウォーカーに外国人枠の争いで後塵を拝し、ファーム暮らしに。1軍で27試合出場にとどまり、打率.196、2本塁打と結果を残せていない。チームを盛り上げるムードメーカーとしても貢献度が高くファンに愛されている選手だけに、もう一花咲かせてほしい。

 プロ通算2000安打まで80本に迫っている40歳のベテラン・中島宏之も存在をアピールしたい。移籍4年目の今季は一塁のレギュラーを競う中田翔が打撃好調で、不振の岡本和真に代わり8月11日の中日戦から4番に座っている。若手成長株の増田陸も台頭したことで、中島の出場機会が減る形となり47試合出場で打率.250、1本塁打、19打点。7月14日に登録抹消され、1カ月以上の調整期間を経て今月23日に1軍に復帰した。「代打の切り札」としてチームを救い、スタメン奪取を目指す。

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