投手陣は「FA移籍組」の井納翔一、山口俊が背水の陣を迎えている。井納はDeNAからFA移籍1年目の昨季5試合登板で0勝1敗、防御率14.40。先発、救援で結果を残せず大きな誤算だった。今季は開幕からファーム暮らしだったが、6月に救援要員で1軍昇格。だが、首脳陣の信頼が厚いとは言えない。同月22日のDeNA戦で救援登板した際に4球連続ボールで四球を出すと、即刻交代を命じられてファーム降格した。8月に再び1軍のマウンドに戻り、6日のヤクルト戦で移籍後初勝利を飾ったが、15日に登録抹消された。ロングリリーフもできることから苦しい救援陣の力になりたいが、来年の戦力構想に入るかは微妙だ。
山口も今季1試合登板のみでファーム調整が続いている。19年には15勝を挙げて最多勝を獲得し、20年にポスティング・システムでブルージェイズに移籍。昨年途中に巨人に復帰したが2勝にとどまり、今季は山崎伊織、堀田賢慎、直江大輔と先発陣に若手が台頭している背景もあり登板機会に恵まれていない。
民放キー局の関係者は「FA組は好待遇で迎えられているので、結果を出せないと判断も厳しくなる。山口や井納と同様に、FAでDeNAから加入した梶谷隆幸も5月に左膝内側半月板縫合手術を受けて今季中の復帰は絶望的な状況です。FA補強はプラスとマイナスの側面がある。チーム作りの観点から見直す必要があると思います」と指摘する。
チーム再構築に向け、今オフは大ナタが振るわれるかもしれない。(梅宮昌宗)