「この団体名で社協が感謝状を贈るのは適切なのか、かなり議論しました。でも、被災者への支援にとても尽力していただいたことに対して感謝したというのは、われわれとしては本当に純粋な気持ちです」

宗教者として当然の行為

 旧統一教会が被災地にボランティアチームを送るようになったきっかけは、11年の東日本大震災である。

 地元紙によると、宮城県石巻市の災害ボランティアセンターを中心に毎週10人前後のメンバーが被災地を訪れ、がれきや泥の撤去を行った。当時の写真には、揃いの赤いベストを身につけた旧統一教会の教会員が、ほかのボランティアとともに活動をしている様子が写っている。

 教団広報部は被災地でボランティア活動を行う意図はほかの宗教団体と基本的に「同一」としたうえで、こう語った。

「世界平和統一家庭連合の創始者である文鮮明総裁の教えの核心は、他者・社会・国家のために生きよ、というものです。家庭連合平和ボランティア隊、通称UPeaceはこのような精神を各教会員が実践し、地域と国家に奉仕するために全国各地で災害支援活動を行っています。災害にあい、困っている人を助けるというのは、宗教者として当然の行為であると考えて行動を続けております」

 UPeaceの参加者は主に教会員で、奉仕の実践と教育を主な目的としているという。

 布教活動についてはどうか。

「各災害現場において、布教活動をしないことを約束して活動を行っています。活動前のオリエンテーションにおいて、参加者に対する事前教育を行って、それを徹底しています」

選挙支援と重なる手口

 東日本大震災以降、旧統一教会は広島土砂災害(14年)、地震(16年)、九州北部豪雨(17年)、西日本豪雨災害(18年)など、さまざまな大規模災害の現場にUPeaceを派遣してきた。統率がとれ、黙々と働く旧統一教会のボランティアは災害現場で高く評価されてきた。その姿は選挙活動を献身的に支援し、政治家たちの信頼を得てきたボランティア活動とぴたりと重なる。

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