ボランティアが「入り口」としての役割をすることもある(gettyimages)
ボランティアが「入り口」としての役割をすることもある(gettyimages)
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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)がさまざまな政治家の事務所にボランティアを送り込み、選挙活動を支援してきたことが明るみになっている。しかし、彼らのボランティア活動は政治の世界にとどまらない。旧統一教会は大規模災害が起こるたびに被災地に忍び寄り、根を張ってきた。旧統一教会ボランティアの活動の実態を取材するとともに、それをきっかけに地域や受け入れ組織に浸透し、信者獲得や高額献金につなげてきた手口を専門家に聞いた。

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 2019年、関東地方を直撃した台風15号は甚大な被害をもたらした。特に房総半島の南端、南房総市では多くの家屋の屋根が吹き飛ばされた。その復旧作業で頼りにされたのが旧統一教会の「平和ボランティア隊(UPeace)」である。南房総市社会福祉協議会の担当者(当時)は、こう振り返る。

「南房総市の災害復旧について、UPeaceには非常に助けてもらいました。屋根の上に登ってブルーシートを張る作業はかなりの危険を伴います。なので、一般ボランティアの人にお願いすることはできません。その点、UPeaceは大阪府北部地震(18年)の際、屋根瓦が落ちた家を復旧した経験がありました。実際に作業の様子を目にしましたが、しっかりとした安全管理がなされていました」  

 旧統一教会の信者だと知ったうえで受け入れたのか?

「名刺をいただいた際に新しい団体名になっていましたが、『昔の統一教会ですよね』という趣旨のお話をしました。それで気になったので『布教活動は一切しません』と、お約束いただき、そのうえで受け入れました」(社協の担当者)

 彼らの働きぶりについて、担当者は「とても熱心にやっていただきました」と、高く評価する。

「特に長期で入っていた方がいらっしゃいましたが、一生懸命、真面目にコツコツと作業されていました。被災者の気持ちに寄り添っていただいた、という印象です」(同)

 同市社協は「世界平和統一家庭連合 平和ボランティア隊 UPeace」名で感謝状を贈った。

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毎週10人前後のメンバーが被災地を訪れ…