料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「手まり寿司」。
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桃の節句や春のお祝いの席にふさわしい「手まり寿司」。色とりどりのお寿司がテーブルに並ぶと気分もぱっと晴れやかに。気の合った仲間とお酒を飲みつつ、お寿司をつまむ時間はいいですね。
まずは仕込みに時間がかかる鯛の昆布締めとラディッシュの甘酢漬けから準備しましょう。魚介はマグロやサーモンのお刺し身、ボイルしたエビもおすすめ。
菜の花は塩ゆで後、冷水にくぐらせると色みがきれいに出ます。そして水気を絞りましょう。炒り卵は材料をよく溶き混ぜ、箸を使ってそぼろ状になるまで炒りつけます。焦げないように火加減は中火弱ぐらいに調節してください。
酢飯のご飯は水だけで炊いてもいいですが、昆布を入れて炊くと風味が増すのでおためしください。ご飯が炊き上がったら、熱いうちに合わせ酢を回しかけて混ぜ、うちわで冷ますのもポイント。
下準備が終わったら具材に酢飯をのせ、丸く成形していきます。ぐい呑みのような器にラップを敷いて包むとやりやすいですよ。
(構成/沖村かなみ)
■手まり寿司
【材料】(4人分) ご飯2合、A(酢50ml、砂糖大さじ1、塩小さじ1/4)、鯛の刺し身200g、塩小さじ1/2、昆布(10cm)1枚、菜の花100g、辛子小さじ1、醤油小さじ2、ラディッシュ4個、B(砂糖小さじ1、酢100ml)、C(卵2個、砂糖小さじ2、塩小さじ1/2、酒小さじ1)、サラダ油適量、木の芽・イクラ各適量
【作り方】(1)鯛の刺し身は塩を振り、昆布に挟んで冷蔵庫で半日置き、薄く切る。(2)ラディッシュは薄く切り、合わせたBに半日漬ける。(3)菜の花は塩ゆで後、粗く切り、辛子と醤油で和える。(4)炒り卵は合わせたCをサラダ油で混ぜながら炒め、冷ます。(5)酢飯は炊き上がったご飯に合わせたAを加えて混ぜ、冷ます。(6)ラップに(1)~(4)をのせ、酢飯を重ねて包む。ラップをはずして皿に盛り、木の芽やイクラを添える。
【ワンポイントアドバイス】鯛の刺し身は両面に軽く塩を振って昆布で挟み、半日ねかせるとうまみが増す。
小さな器にラップを敷き、具材、酢飯の順にのせて包むと成形しやすい。
※週刊朝日 2023年3月10日号