りゅう こういうのもあっていいんだよ、ということをみんなに言いたいわけではないんですが、「勇気が出ました」という声ももらえたので、その声を裏切らないようにしたいと思っています。
私たちの選択が当たり前のようになってほしいとは思わないですが、多様な形があったり、色んな形がある、幸せの形はこういうのもあるんだ、というくらいに僕たちを見て思ってもらえたらいいなと。
ぺこ ロールモデルになりたいというのはないけども、身の回りで似たような家族の形と出会ったときに「ぺこ&りゅうちぇるみたいな感じか」とか、「ぺこ&りゅうちぇるもそういっていたな」とか、そういった多様な家族の形に寄り添える考えのきっかけになれたら嬉しいな、とは思います。
――今回の発表は「する必要がなかったのでは」という声もあります。
りゅう 「新しい家族の形にします」となったときに、それが外に伝わって、その理由について憶測であることないこと言われるのであれば、ちゃんと理由を言いたいと思いました。ただ、公表するのは、とても怖かったです。憶測が飛んでも「それは違います」と否定すれば済む面もありますし。正直、ギリギリまで悩んでいました。
ぺこ 私の目線からだと、息子に誇りをもって話せることは世間に言っていいと思う。
りゅうちぇるの本当の自分については、私は一切恥ずかしいとか、「なにそれ」とも思わない。そこはりゅうちぇるには私には計り知れない勇気や恐怖があったと思うけど、それを言うことで勇気をもらえる人もいると思いました。
ただ、何よりも、息子にも誇りをもって話せる事実なのだから、世間に伝えたらいいと思いました。
りゅう 当事者の苦しみをいちいち世間に伝える必要があるのか、自分のことだけならいいが……、という考えもありました。世間は厳しいだろうという思いもありました。
だけど、てこが言ったように、息子に誇りをもって話せることは、世間にも話したほうがいいと思いました。