こういった大会からの排除や、LIVゴルフが世界ランキングポイントの対象に認められてないことで、実績のある大物選手の移籍の噂についてはややトーンダウンしてきた印象がある。PGAツアー7勝のジョン・ラームにも移籍話は絶えないが本人は自身のSNSできっぱりと否定している。
タイガー・ウッズやローリー・マキロイといった“ゴルフ界の顔”が一貫して「反LIVゴルフ」を貫いていることも要因だろう。世界ランキングポイントが獲得できないと必然的にランキングは落ちることになり、メジャートーナメントなどの出場資格を得られないことが二の足を踏む理由となっている。
ただ一方で、別ルートからLIVゴルフに参加する選手も現れている。世界アマチュアランキング9位のダビド・プイグがLIVゴルフ入りを決めた。プイグはすでにアマチュアとしてLIVゴルフでプレーをしていたが、今後はプロとして戦っていく。
現在20歳のプイグはスペイン代表として、ジュニアワールドカップで銀メダルを獲得するなどゴルフ界の若手有望株の一人だが、PGAツアーではなくLIVゴルフを選んだことは大きな話題を呼んでいる。
いくら大学ゴルフのスターといえども、PGAの下部ツアーから実績を積み上げていくのは険しい道のりだ。そこで、安定して賞金が手に入るLIVゴルフを選ぶというのも、選手の立場からすればあり得る選択肢かもしれない。
もし今後、LIVゴルフがベテランを移籍させるのではなく、有望なアマチュアを“青田買い”していく方向へシフトチェンジしていけば、数年後のゴルフ界の勢力図が大きく変化する可能性もある。
果たして、PGA vs. LIVの戦いは今後どのような形になっていくのか。コース外の戦いからも目が離せない。