「鎌倉カレンダー」というページでは、月ごとに地元鎌倉の行事も親しみやすい文章と写真で紹介されています。目にも美しいお菓子をもとに、季節の情景を思い浮かべる楽しいひとときです。
和菓子に限らず、懐石料理や着物、俳句、時候のあいさつ、年中行事など、日本人は昔から季節感を大切にしてきました。
街行く人たちの服装、手に持っているもの、お店のポスターなどなど、「今年もそんな季節か」と感じた小さな瞬間は、自分の「話題袋」の中に入れておきましょう。
こんな積み重ねで「そういやこんな景色を目にしました。もうそんな季節なんですねえ」と誰とでもちょっとした雑談ができるようになります。
さらに、季節感に自分の体験や見聞きした出来事を絡めていくと、シンプルな季節の話題にオリジナルの要素がプラスされます。話し手の実感がこもるので、聞く側もさらに一歩、深く入ってくれます。
例えば、以前ラジオで話したこんなお話。
<春一番もそうですけど、季節の変わり目って風が強いですよね。先日、家に帰ってきたら、玄関のドアノブに私のパジャマのズボンがそっとかけられていました。よりにもよって、着込んでクタクタになったベテランのお気に入り。「こんなところに晒しものにして、ごめんね!」と、長年の相棒に申し訳なく思ったり、恥ずかしくて一人赤面したりと、いろんな感情が次々と湧いてきて、しばらく扉の前で呆然となりました。いやー、季節の移り変わりと、ご近所さんのやさしさを感じましたねえ……>
自分のエピソードを話すときは、「やっちゃった!」という小さな失敗談がおすすめ。ちょっとした自虐でも小さな笑いがとれたらOK。難しい話は抜きにして、「なんだか話しやすい人だな」とあなたの親しみやすさもアップします。
「いいこと言おう」と意気込むと空回りしてしまうので、目にした季節を素直に話す。まずはここから始めてみましょう。
【ここまで聴いてくれたあなたへ】
今日、あなたがキャッチした季節感はどんなことですか?
(構成/小川由希子)