巨人の原辰徳監督
巨人の原辰徳監督
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 巨人・原辰徳監督が来季も続投することが決まった。球団史上最長の監督16年目を迎えた今季は5年ぶりのBクラスとなる4位に低迷。原政権下で初めてCS進出も逃した。来季は3年ぶりのV奪回を目指すが、その道のりは険しい。

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  巨人を取材するスポーツ紙記者は、チームの現状についてこう振り返る。

 「今年も戦前から苦戦が予想されていました。エースの菅野智之に絶対的な力がなくなり、先発ローテーションの頭数がそろっていない。打線も長打を打てる選手はそろっているが、接戦で1点を取る野球に課題が残った。巨人が低迷した時は外部からの大型補強でチームを変革してきましたが、もうそういう時代ではない。ソフトバンクを退団し、獲得を検討している松田宣浩もバリバリのレギュラーで働くのは厳しい。FA補強ももろ刃の剣です。活躍しなければ、若手の出場機会を奪うことになり長期的に見ると大きなマイナスになる。チーム再建は時間がかかると思います。来季は正念場の年になるでしょう」

  懸念される大きな問題は主力選手の高齢化だ。坂本勇人(33)、丸佳浩(33)、菅野(32)、中田翔(33)…坂本は度重なる故障で83試合出場にとどまり、規定打席到達が14年連続で途絶えた。中田翔は復活し、丸、菅野も数字だけ見れば及第点の成績を残しているが全盛期の姿を見るとピークを越えた感がある。以前の巨人なら、FAで獲得した選手に衰えが見えた時に、新たに外部補強でカバーすることが多かった。日本ハムからFA移籍した小笠原道大は2007年から4年連続打率3割、30本塁打をマークしたが、11年に83試合出場で打率.242、5本塁打と成績を落とすと、同年オフに新たな主砲として村田修一を横浜(現DeNA)からFAで補強した。

  巨人は03年から4年連続優勝から遠ざかった時期がある。06年は原監督の2次政権1年目で65勝79敗2分と大きく負け越し、4位に低迷した。同年オフに大胆なチーム改革を断行する。

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