※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 今や小・中学校などのカリキュラムに「がん教育」が定められるほど、がんは身近な病気です。「生涯のうち、2人に1人ががんになる」とされ、そう遠くない日に自分や近しい人にがんが見つかることもあり得ます。その時、自分の病気に落ち着いて対処できるでしょうか。また大切な人をサポートできるでしょうか。

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 自分には関係ないと決めつけず、いつ来るかわからない事態に備え、がんについての知識を蓄えましょう。そこで「腫瘍とがん」の基礎知識を東京医科歯科大学医療イノベーション推進センターの石黒めぐみ准教授に聞きました。Q&A形式で解説します。前編に続いて、後編をお届けします。

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Q 原発不明がんの場合、どのように治療方針を立てるのですか?

東京医科歯科大学医療イノベーション推進センターの石黒めぐみ准教授
東京医科歯科大学医療イノベーション推進センターの石黒めぐみ准教授

A がんの組織の特徴などから、似た性質をもつがんを推測し、治療する  

 がんには、離れた臓器などに飛び火(転移)しやすいという特徴があります。例えば、首のリンパ節にどこからか転移したがんが見つかったのに、十分に検査をしても、おおもとの最初にがんができた場所(原発巣)がどこかわからないことがあります。このような場合を総称して「原発不明がん」と呼んでいます。

 通常、乳がん、胃がんなど、がんの種類や進行度などに応じて治療方針が立てられ、転移に対しても、その種類のがんの性質に合わせて治療します。

 原発不明がんの場合は、がんの見つかった場所や、採取して調べた組織の特徴などから、もともとのがんの種類、あるいは似た性質をもつがんを推測して治療方針を立てます。

 例えば、女性のわきの下のリンパ節に腺癌(せんがん)という種類のがんが見つかったけれど、おおもとがわからない(=原発不明がん)場合は、乳がんに準じた治療をします。このような、専門家が勧める治療方針については、『原発不明がん診療ガイドライン』に記載されています。

 最近では、一度にたくさんの遺伝子の異常を調べることができる「がん遺伝子パネル検査」で遺伝子の異常を調べ、その結果が治療に結びつく可能性も出てきました。

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200種類ぐらいある「希少がん」