Q 希少がんとは、どんながんなのですか?

A 患者の数がとても少ない、まれながんのこと

 がんはからだのどこにでもできる可能性があります。大腸がん(年間に新たに診断される人:約16万人)、乳がん(同:約9万人)など、たくさんの人がなるがんがある一方、患者の数がとても少ないがんもあります。「希少がん」は、人口10万人当たり6人未満のがんの総称で、そのなかには、骨の肉腫、目の腫瘍、中皮腫(肺)など200種類ぐらいのがんが含まれます。一つひとつのがんはまれでも、「希少がん」全体では、すべてのがんの15~22%を占めると言われています。

 同じがんの患者が少ないと大規模な研究がおこないにくく、有効な治療法を見つけ出したり、効きめを証明したりするのが困難です。また、患者にとっては自分のがんに詳しい医師が少ないなど、専門的な治療が受けにくいという問題があります。

 そのため、情報提供・診療・教育・研究などを担う希少がんセンターが、国立がん研究センターなど全国に4カ所設けられ、「希少がんホットライン」で患者からの電話相談に応じています。

Q がんを予防できますか?

A 禁煙などの対策をとっても、100%完全には予防できない

 がんは、細胞の遺伝子にいくつもの傷がつくことで発生します。遺伝子の傷の要因には、喫煙、過度の飲酒、偏った食事、ウイルスなどの後天的(環境的)なものと、親から受け継いだ遺伝子に原因がある遺伝的なものがあります。

 後天的な要因には対策を取れるものもあり、生活習慣の改善などでリスクを下げる一定の効果があると考えられます。しかし、がんはさまざまな要因が影響して発生するので、がんの発生を完全に防げるということはありません。

 大切なのは早期発見・早期治療であり、定期的にがん検診を受けること、気になる症状があったら早めに受診することが、がんによって命をおとさないための一番の予防策です。

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「遺伝性のがん」とは?