ジュビロ磐田の19歳・古川陽介
ジュビロ磐田の19歳・古川陽介
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 佳境を迎えている2022年のJ1リーグ戦。延期分の試合をすべて終え、これまでバラつきがあった消化試合数が全チーム同じになった。残りは2試合。優勝争いが横浜FMと川崎に絞られた一方で、J1残留争いは7チームが“渦中”にある。

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 まさに首の皮一枚で繋がっているのが、最下位18位の磐田(勝点29、得失点差-23)だ。8月以降7試合白星なし(3分4敗)で崖っぷちに追い込まれたが、そこから“火事場の底力”で何とか踏みとどまり、直近2試合は1勝1分。首位・横浜FM(○1-0)を下し、清水(△1-1)には試合終了間際に追い付き、わずかではあるが残留の可能性を残している。残り試合はG大阪(A)、京都(H)。得失点差のマイナス分が大きく、1勝1分でも最下位脱出はほぼ不可能であり、J1残留のためには自分たちが2連勝したうえで他チームの勝敗を待つという形。果たして奇跡を起こせるか。横浜FM戦で決勝弾を決めてヒーローになりながら清水戦では決定機を外して悔し涙を流した19歳・古川陽介のゴールに期待したい。

 自動降格圏の17位にいるのが、G大阪(勝点33、得失点差-13)だ。9月に神戸との関西ダービーに敗れた後、柏(△1-1)と引き分け、横浜FM(○2-0)に勝利して一旦は16位に浮上したが、その後に他チームが軒並み勝利したことで再び厳しい状況に追い込まれた。残りは磐田(H)、鹿島(A)。1勝1敗でも残留できるかどうかは微妙な状況だ。最終節で戦う鹿島にはリーグ開幕戦(●1-3)の後、ルヴァン杯(●1-4、●1-3)、天皇杯(●0-2)と今季4戦全敗で、昨季も含めると6連敗中という苦手な相手なだけに、まずは直接対決となる次節・磐田戦での勝点3は必須だ。最後の最後で意地を見せられるか。3週間試合がなく再調整する時間はタップリあった。また、たとえチームとして機能せずとも、故障から復帰したエース・宇佐美貴史の個人能力と孤軍奮闘を続ける守護神・東口順昭の存在があれば勝てるはず。不恰好でもいい。“西の雄”として、クラブ史上2度目のJ2降格は絶対に避けなければならない。

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清水、福岡、京都は“残留”できるか?