ヒトコブラクダにも乗れる(写真/仁藤裕二さん提供)
ヒトコブラクダにも乗れる(写真/仁藤裕二さん提供)
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 いよいよ、4年に1度のサッカーの祭典、FIFAワールドカップ(W杯)・カタール大会が11月20日に開幕する。カタールの首都ドーハといえば、1993年のW杯最終予選「ドーハの悲劇」で日本人にはなじみ深い。あれから30年近くが経つというのに、当時の試合を今でも覚えている人は多いだろう。だが、ドーハの街並みや、そこに暮らす人々の姿はなかなか思い浮かばないのではないだろうか。ネットの情報では「世界一退屈な国」などと書かれることもあるが、実際はどうなのか。知られざるカタールの実像について、知多市カタール友好交流会(愛知県)の仁藤(にとう)裕二会長に聞いた。

【写真】カタールってどんな国? オイルマネーと伝統が交差する街並みはこちら(計11枚)

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「礼儀正しくて、非常に親日的ですね」

 カタール人とは、どんな人たちなのか? 仁藤さんに尋ねると、真っ先にそう返ってきた。

「かつて砂漠の遊牧民(ベドウィン)であった彼らの家族のきずなは深く、旅人にやさしい、というのが私の一番の印象です」と言い、カタールの思い出を語った。 

ドーハにつくられた人工島「ザ・パール」(写真/仁藤裕二さん提供)
ドーハにつくられた人工島「ザ・パール」(写真/仁藤裕二さん提供)

 仁藤さんは石油企業・出光興産の元社員で、同社の製油所がある愛知県知多市に住んでいる。現在70歳の仁藤さんは会社員時代、経済産業省の外郭団体で産油国からの研修生受け入れ事業を担当し、カタール人研修生と友情を育んだ。

 一方、知多市は「2005年日本国際博覧会(略称:愛知万博)」が開催された際、公式参加国とペアとなる「フレンドシップ事業」を通じてカタールとのきずなを深め、07年に「知多市カタール友好交流会」が設立された。その会長が仁藤さんというわけだ。

カタールでは男性用の民族衣装として日本製の高級生地が人気(写真/仁藤裕二さん提供)
カタールでは男性用の民族衣装として日本製の高級生地が人気(写真/仁藤裕二さん提供)

冷房完備の競技場を新設

 カタールは中東・ペルシャ湾に突き出た小さな半島の国である。

「昔はカタールに行くのにUAE(アラブ首長国連邦)のドバイなどを経由しましたが、今はカタール航空の直行便で約12時間です。夏の気温は50度近くなるので、会のメンバーはいつも2月ごろカタールを訪れます。日本の春くらいの気候で過ごしやすい。ちなみに、雨はほとんど降りません」

 国土のほとんどが平たんな砂漠で、一番高いところでも標高約100メートルしかない。面積は秋田県ほどだが、原油と天然ガスを豊富に産出する。

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