同じくリリーフとして期待できそうなのが日本ハム6位の宮内春輝(日本製紙石巻)だ。明星大では首都大学野球の二部リーグでのプレーが長く、それほど注目された存在ではなかったが、社会人で大きく成長。2年目の2020年にはチームの都市対抗出場にも大きく貢献している。その後の2年間はチームが都市対抗、日本選手権の出場を逃し、リリーフ投手ということで補強選手にも選ばれることはなかった。

 大学卒4年目ということで今年の注目度はそれほど高くなかったが着実に力をつけ、ドラフト前最後の登板となった東北地区連盟会長旗争奪野球大会のJR秋田戦では2回を投げて打者6人全員から三振を奪う文字通りパーフェクトな投球を見せて評価を上げた。テイクバックで体を捻り、沈み込んでからステップする変則的なフォームから繰り出す150キロを超えるストレートは威力十分。サイドスローで、大学卒4年目となる年に指名されたという点は船迫とも共通している。調子の波があるのは課題だが、年齢的なことを考えても1年目からブルペンの一角に加わりたいところだ。

 大学生の投手では橋本達弥(慶応大・DeNA5位)と松井颯(明星大・巨人育成1位)が候補だ。橋本は東京六大学を代表するリリーフ投手。4年間で通算2勝だが、36試合に登板して防御率1.19と見事な成績を残した。コンスタントに150キロに迫るストレートに加え、打者の手元で鋭く変化するスプリットとカットボールを操る。少しコントロールが不安定なのは課題だが、抑えの山崎康晃がメジャーに移籍する可能性があるだけに、チャンスも多いだろう。

 一方の松井は首都大学リーグ二部所属ながら、力みのないフォームから150キロ前後のストレートを投げ込み、制球力の高さも光る。変化球のバリエーションも多彩で、育成ドラフトまで残っていたのが不思議な実力者だ。高いレベルの打者との対戦が少ないのは不安要素だが、ボール自体の力は申し分ないだけに、早期の支配下登録、そして一軍での登板も十分に期待できそうだ。

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