新庄剛志監督の就任は大きな話題となったものの、5位から9ゲーム差の最下位と苦しい戦いとなった今年の日本ハム。そんなチームの中で奮闘を見せたのが北山亘基、上川畑大悟のルーキー2人だ。
【写真】かつて“高校野球史上最高の投手”といわれたレジェンドとは
開幕戦の先発投手を任された北山は、その後はリリーフで起用され、防御率は3点台ながらチームトップの55試合に登板して9セーブ、16ホールドをマーク。1年を通じてブルペンを支える存在となった。一方の上川畑も怪我で出遅れたものの、5月下旬からショートのレギュラーに定着。ルーキーではトップとなる76安打を放ち、守備でも度々好プレーを見せる活躍を見せた。
そして特筆すべきは北山が8位、上川畑は9位と支配下の選手では12球団でも最も遅く指名された2人だったのだ。もしこの2人がいなければ、さらに苦しい戦いになっていた可能性は高いだろう。そこで今回は今年のドラフトで指名された中から、北山や上川畑のように1年目から一軍の戦力となる可能性を秘めている下位指名の選手を探ってみたいと思う。
投手でまず筆頭候補として挙げたいのが巨人5位の船迫大雅(西濃運輸)だ。大きく評価を上げたのが昨年のドラフト後に行われた都市対抗でのピッチングだった。脚がつって5回を投げて1失点で降板したものの、8奪三振を記録。サイドから投げ込むストレートの最速は150キロをマークし、完全に力で圧倒する投球を見せたのだ。今年の都市対抗本選では優勝したENEOSを相手に負け投手になったが、予選では先発、リリーフとしてフル回転。4試合17回1/3を投げてわずか1失点と抜群の安定感を見せ、社会人4年目の26歳でプロ入りをつかんだ。
躍動感あふれるフォームから投げ込む140キロ台後半のストレートは数字以上の勢いが感じられ、ホップするような球筋で空振りを奪うことができる。腕をしっかり振って投げられるスライダー、シンカーなどの変化球も一級品だ。東日本国際大時代からエースとして常に投げ続けているが、20代中盤を迎えてさらに力をつけてきたというのも頼もしい限りだ。短いイニングであればストレートと速い変化球で圧倒できるだけに、セットアッパー候補となる可能性も十分にありそうだ。