中日の谷元圭介
中日の谷元圭介
この記事の写真をすべて見る

 今季通算150ホールドをマークした中日の谷元圭介が契約更改で、「断酒効果」を明かしたことが反響を呼んだ。酒を断ったのは3年前の2020年から。昨年は32試合登板で1勝1敗14ホールド、防御率2.01、今季も34試合登板で1セーブ6ホールド、防御率2.61と救援で安定した投球を続けている。報道によると、谷元は「飲酒をすると寝ている間にアルコールを分解しようと肉体的な疲労(回復)を阻害する。飲酒をしないことで休養に充てられた」と効果を強調した上で、「今まではストレスとかある時に飲んでいたけど、飲まなくてもいけると思った。中日OBで長くやっている選手はお酒が飲めない。立浪監督もそうだし、岩瀬さん、山崎武司さんもそう」と語ったという。

【年俸ランキング】2022年セ・リーグ個人年俸上位20傑はこちら

 一昔前は酒を浴びるように飲み、二日酔いでグラウンドに現れてランニングをすることで汗を出す選手が珍しくなかった。だが、新型コロナウイルスの感染防止の観点から飲食店を利用する機会が減ったことも影響しているのだろう。近年は酒を控える選手が増えているという。

 在京球団の30代の選手は、「少し前は遠征先でベテランの選手に呼び出されて、朝まで酒を飲むことが珍しくなかった。僕はアルコールを飲むと体が重くなる体質だったのでしんどかったです。今は半ば強制的に酒を飲まされる文化もなくなり、若手の体調管理への意識が高い。酒を全く飲まない選手が増えましたね。時代は変わったなあと感じます」と話す。

 酒を飲むことが一概に体に悪いとも言い切れない。佐々木主浩氏、金本知憲氏ら名球会入りした選手たちは酒豪として知られていた。勝負の世界では心身に大きなストレスがかかる。適度な飲酒で気分転換できるなら、尊重されるべきだろう。元阪急の今井雄太郎氏は極度のあがり症で実力を発揮できなかった時、登板前に1杯のビールを勧められたことをきっかけに、覚醒したという逸話が語り継がれている。

次のページ