一方で、若い時から酒豪だった選手は30代に入ると故障が増え、選手寿命が短い傾向があるのも事実だ。プロの世界で長期間活躍した選手は、酒を飲めない「下戸」と呼ばれる選手たちが多いことに気づく。26年間の現役生活で名捕手として球史に名を刻んだ野村克也、NPB最多の1002試合登板の金字塔を打ち立てた岩瀬仁紀、走攻守そろった名遊撃手として通算2432安打をマークした石井琢朗は酒が飲めないことで知られている。

「長嶋茂雄さんも監督になってから少し嗜みましたが、現役時代は酒を飲みませんでした。昭和のプロ野球選手は酒飲みのイメージが強いと思いますが、意外に飲んでいない選手が多い。欧米の人たちに比べて日本人は酒に弱い体質だと言われています。下戸の名選手たちの現役生活が長いのは理にかなっているかもしれません」(スポーツ紙デスク)

 酒にまつわる豪快なエピソードが聞かれなくなったのは寂しい気もするが、深酒は野球のパフォーマンスが落ちるリスクを伴う。酒の席でトラブルに巻き込まれると、SNS全盛の時代で表沙汰になる可能性も高くなっている。酒を飲まない野球選手が増えているのは、時代の流れかもしれない。(今川秀悟)

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