ベンチからでもチームメートを鼓舞するなどして、リーダーシップは発揮できる。リーダーシップってリーダーの専売特許ではない。リーダーという肩書に関係なく全員が発揮できるもの。そのことは選手に伝えていくつもりです。それが侍ジャパンなのではないかと」
そして、白井はこんな言葉で決意を示した。
「我々が周囲の声を気にして人選や作戦を決めることはない。見ているのは世界一だけ。そこに向かっていくには何が最善なのか。それだけはブレずに戦っていきます」
ヌートバー起用に対する懐疑的な視線。この構図はかつての「大谷翔平の二刀流はアリかナシか論争」を想起させる。
二兎を追うのは無理だとの否定的な声には耳を貸さず、二刀流としての大谷を育て上げた栗山。
前例にとらわれず、ただ一点を凝視して道なき道を突き進む。開拓者精神に彩られた栗山ジャパン、その戦いの幕がまもなく上がる。(文中一部敬称略)(市瀬英俊)
※週刊朝日 2023年3月10日号