ただ、どれだけ情報やデータを集めても、選手に技量がなければ対応できない。逆に言えば、それだけの技量を持った選手を選んでいるということ。最後の最後はデータに裏付けされた中で選手がいかに感性を働かせて技量を発揮するか。そこは選手を信頼して、我々は送り出すだけですね」

 2月17日から27日まで日本チームは宮崎で強化合宿を行ったが、自身が保持する情報、自身が培ってきたテクニックを惜しげもなくチームメートに公開していたのがダルビッシュ有(パドレス)。3月10日、韓国戦での先発が濃厚だ。

■準々決勝は大谷 決勝は山本由伸

 第2回WBCの胴上げ投手であり、昨季はメジャーで16勝のダルビッシュが日本ハムに入団したのは2005年。当時、白井はトレイ・ヒルマン監督のもとヘッドコーチを務めていた。

「プロ1年目から現在まで、ダルビッシュの投球フォームって常に変わり続けている。より良いものを見つけていこうとする向上心も、トレーニングや勝負に対する考え方も素晴らしい成長を遂げていると思いますね。

 彼は積極的に情報を発信していますが、自分がインプットしたものをアウトプットすることで、より整理できるし、新たな気づきも生まれる。アウトプットによって初めて本当の意味で自分のモノになることを一番理解しているのがダルビッシュなのだと思います」

 いまだ成長に貪欲な36歳が「すごくいいモノを持っている」と評したのが佐々木朗希(千葉ロッテ)。昨年4月、完全試合を達成した「令和の怪物」は3月11日、チェコ戦の先発が見込まれる。

 そして1次ラウンド最終戦、3月12日のオーストラリア戦に満を持して先発マウンドに立つのは山本由伸だろう。チームが順調に勝ち進めば、日本球界が誇る右腕はおそらくは決勝戦の先発も務めることになる。

 準々決勝の先発は中6日で大谷。準決勝はマイアミの空気を知るダルビッシュを配置できれば盤石の態勢となる。

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