週刊朝日 2023年3月10日号より
週刊朝日 2023年3月10日号より

「第2先発は六回アタマからの起用を考えています。シーズン中、先発投手は試合開始に合わせて調整している。だったら、五回裏終了後にはグラウンド整備で時間が作れるし、そのタイミングに合わせて調整するほうがやりやすいだろうと」

 先発から中継ぎ投手をはさんで六回から第2先発へ。そして、最後はクローザーで逃げ切る。ただ、こうした継投策がすべての試合で事前の構想通りに機能するとは、白井も考えていない。

「先発がランナーを残した状況で降板となれば、中継ぎはその悪い流れを断ち切った上で、もしかしたら次の回も投げることになる。誰が流れを断ち切れるのか。誰が複数イニング投げられるのか。そのあたりの適性はいろいろ考えましたね」

 最終的に選ばれた投手陣は15人。白井が淀みなく言葉を重ねる。

「この強力投手陣こそ日本チームの最大の特長です。世界一と言えるこの投手陣を生かすためには、数少ないチャンスでしっかり得点して、しっかり守り切る。栗山監督も言っていたように、それが侍ジャパンの戦い方になると思います」

 世界一の座を勝ち取るために編成された世界一の投手陣。中でもそのピッチングに注目が集まるのが大谷翔平だ。

 1月6日、日本代表30人のうち12人を栗山監督が先行発表した記者会見にただ一人、出席した選手が大谷だった。今回の侍ジャパン、そのシンボルが大谷であることに異論を差し挟む余地はない。

 日本の戦いは3月9日、中国戦から始まる。「もったいない」とも思えるが、正攻法として大谷の先発登板が有力視される。白井は言う。

「大谷にはすべての面で期待しかない。投打はもちろん、彼の野球に対する取り組み方はすべての野球選手にとって手本になるでしょうし、何よりメジャーの情報をたくさん持っている。データ班の皆さんが万全の準備をしてくれているんですが、同じ150キロの直球でも打席での体感は均一ではない。となれば実際にメジャーでプレーしている選手の情報は非常に有益だと思います。

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