一方、大谷も含めて計16人の攻撃陣は打順、守備位置ともに流動的。その中にあって打線の中軸とサードのレギュラーは「令和の三冠王」村上宗隆(東京ヤクルト)で揺らがない。

「栗山監督は早くから4番は村上に任せると言っていましたし、昨年の強化試合でも年齢に関係なくチームを引っ張っていた。私も全幅の信頼を寄せています」と白井。

 23歳の若き主砲の脇を固める形で2番には指名打者の大谷、3番・ライトで鈴木誠也(カブス)、さらに今季からメジャーでプレーをする吉田正尚(レッドソックス)が5番・レフトで並べば破壊力は十分だ。

 下位には6番・ファーストで牧秀悟(DeNA)、7番・セカンドで山田哲人(東京ヤクルト)、8番・キャッチャーで甲斐拓也(福岡ソフトバンク)、9番・ショートで源田壮亮(西武)といった布陣が予想される中、野球ファンの関心を集めているのが5人目のメジャーリーガー、セントルイス・カージナルスに所属するラーズ・ヌートバーだ。

 アメリカ人の父、日本人の母を持つ25歳の左打ち外野手。アメリカで生まれ、日本での野球経験はない。招集の背景を白井に尋ねた。

「前例のない選出ですが、日本代表として一緒に戦いたいというヌートバーの意思を我々はすでに十分承知しています。

 選手としての特徴はスイングスピードが速く、スイング軌道も素晴らしい。若いし伸びしろがあると考えています」

 守備力への評価は高いものの、昨季の打撃成績(打率2割2分8厘、14本塁打)を根拠に、ヌートバー不要論を唱える球界関係者は少なくない。まずは1番・センターでの起用が想定されるが、早い段階で好結果が出なければ周囲の雑音も高まるだろう。白井は言う。

「ヌートバーに限った話ではありませんが、WBCのような短期決戦、一発勝負においては状態の良い選手、ノっている選手を使っていくのが鉄則です。それで仮に試合に出られなくなったとしても、ベンチで不貞腐れるような選手は一人もいないと信じています。そもそもそういう選手を我々は選考していませんし。

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