その一方で年俸大幅ダウンとなった選手たちも存在し、最も大きなダウン率になったのが、宮西尚生(日本ハム)。野球協約の減額制限(1億円超は40%)を大きく超える80%減(2億5000万円→5000万円プラス出来高)でサインした。プロ1年目から14年連続50試合以上登板を記録し、最多の通算ホールド数の日本記録も持つタフネス左腕だが、2年契約2年目で6月に37歳となった今季は不調が続き、9月に左肘を手術したこともあり、24試合で0勝3敗7ホールド、防御率5.66の成績に終わった。

 契約更改後の会見では「ファンの期待を裏切ってしまったという思いだけがある」と頭を下げるとともに、来季へ向けて「400ホールド達成、優勝、監督の胴上げができるよう、最年長になる自覚をもって少しでも貢献していきたい」と奮起を誓った。その他、同じくベテランの中島卓也(日本ハム)が63%減(8000万円→3000万円)、今季1試合のみの登板に終わった岩嵜翔(中日)も59%減(6800万円→2800万円)の大幅ダウンとなった。

 今後、まだまだ各球団の大物選手たちが契約更改を控えており、三冠王を獲得してリーグ連覇の原動力となった村上宗隆ヤクルト)が今季の年俸2億2000万円から、2年連続沢村賞&MVPを獲得してチームを日本一に導いた山本由伸(オリックス)は今季年俸3億7000万円から、ともに「どこまでアップするのか」が大きな注目点。新人王に輝いた大勢(巨人)、水上由伸(西武)、日本一に貢献した阿部翔太(オリックス)、さらにプロ11年目での“打撃開眼”で首位打者に輝いた松本剛(日本ハム)も大幅アップ間違いなしだろう。不況にコロナ禍、円安に物価高と、ネガティブな話題ばかりが続くが、せめて「夢を売る」プロ野球の世界では、景気の良い話を聞きたいところだ。