森友哉(西武→オリックス)、伏見寅威(オリックス→日本ハム)、嶺井博希(DeNA→ソフトバンク)のFAによる移籍が決まり、残る大物は近藤健介のみとなっているが、FAの人的補償や現役ドラフト、新外国人など各球団の来季に向けての補強はまだ続くことになりそうだ。
そんな中でここへ来て気になるニュースが飛び込んできた。巨人のメルセデスが今シーズン限りで退団する見込みだと報じられたのである。メルセデスはメジャー経験はなく、2016年に巨人がドミニカ共和国で行ったトライアウトに合格して翌年育成選手として入団。2018年に支配下登録を勝ち取ると、ここまで実働5年で29勝をマークし、昨年の東京五輪ではドミニカ共和国代表の銅メダル獲得にも貢献している。
今年は5勝7敗と負け越してはいるものの、防御率は3.18という数字は立派である。中盤以降に球威が落ちるスタミナ面の不安は課題だが、来年で29歳という年齢的な若さを考えてもまだまだ成長の余地は残されているのではないだろうか。何よりも5年間一軍の戦力としてプレーし続けてきた経験は貴重であり、先発投手が不足している球団にとっては非常に魅力的な人材である。本人が来年も日本でのプレーを希望するのであれば、複数球団による争奪戦となることも十分に考えられるだろう。
そしてメルセデス以外にもこのオフに退団となった外国人選手で、まだ活躍の余地がありそうな選手は確実に存在している。投手で面白そうなのが、先日DeNAからの退団が発表されたロメロだ。来日1年目の昨年は後半戦に調子を上げて5勝3敗、防御率3.01を記録。今年はコントロールに苦しみ、シーズン終盤には中継ぎに配置転換となったものの、前年を上回る6勝をマークしている。
150キロを超えるスピードがある割にストレートの被打率が高く、制球力には課題が残るものの、カットボールやツーシームなど小さく動く変化球は威力があり、強気に内角を攻める投球は魅力だ。またシーズン最終登板は崩れたものの、リリーフになってからは4試合連続で無失点と好投を見せており、急な配置転換にも対応していたことはプラス要因だ。来年で29歳と年齢的に若いのもメルセデスと同様に魅力である。