サッカーW杯の決勝トーナメントで12月6日午前0時、日本代表はベスト8をかけクロアチアと対戦する。クロアチアは予選リーグをグループ2位で突破し、FIFAの世界ランキングは12位と日本(24位)よりも格上。このチームに日本が勝つためには、やはり相手の情報を多く知ることが一番だ。とはいえ、おおかたの日本人にとってクロアチアというのはなじみが薄い。そこで、20年前から“日本で唯一”といわれるクロアチア料理専門店を営む川崎幸樹さん(55)のもとを訪ねた。
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東京都中央区にあるクロアチア料理専門店「Dobro(ドブロ)」。店の外にはクロアチア国旗が掲げられ、店内にはクロアチアの海岸や滝などの風光明媚(めいび)な写真が飾られていた。地中海の雰囲気を感じられるインテリアだ。
店内には「日本で唯一のクロアチアレストラン」というキャッチフレーズも書かれていた。川崎さんはこう話す。
「本当に日本全国で、クロアチア料理専門店はここしかありません。東京にあるクロアチア大使館の大使も食事に来られますよ。クロアチアは人口400万人余りしかいない小さな国で、日本にいるクロアチア人はわずか100人ほどと見られています。その国と日本が3回も当たるって、本当に奇跡みたいなことだと思っています」
日本とクロアチアは、W杯では1998年の「フランス大会」予選リーグで戦ったのが最初。中田英寿氏や中山雅史氏、川口能活氏らを擁した日本代表だが、試合は0-1でクロアチアが勝利。2度目の対戦は2006年「ドイツ大会」。このときの日本代表には中田氏や川口氏、中村俊輔氏らがいたが、結果は0-0の引き分け。このときのクロアチア代表には、今大会も主力として出場している背番号10のルカ・モドリッチ選手もおり、途中出場している。彼にとっては16年の時を経ての日本との対戦となる。
川崎さんが話す。
「予選リーグだったドイツ大会のときは、2カ月間、メディアからの取材のない日はないくらいの騒ぎでした。対戦当日は報道陣が70人くらい来て、店内でライブ中継を見つめたものです」