日本のトッププレーヤーたちが、次々と海の向こうへ渡る。野球の最高峰でプレーしたいという思いは、アスリートとして抱く当然の感情だろう。今季史上最年少の三冠王に輝き、日本記録の56本塁打を樹立したヤクルト・村上宗隆は来年から3年契約を結んだ上で、2025年オフにポスティング・システムでメジャーに挑戦する可能性が高いことは、米国のメディアでも大きく取り上げられた。
村上だけではない。来年3月のWBCは、侍ジャパンのメンバーにメジャーのスカウトが注目しているという。かつて、メジャー球団でスカウトを務めた球界関係者は、注目の日本人選手についてこう語る。
「山本由伸(オリックス)は断トツでトップの注目度ですね。メジャーでも現時点でエースになれる逸材です。まだ日本で確固たる実績を残していませんが、佐々木朗希(ロッテ)、伊藤大海(日本ハム)、高橋宏斗(中日)も魅力的です。WBCに不参加を表明した平良海馬(西武)はリリーバーとして評価が高い。先発転向で成功すれば、起用法の幅が広がるのでさらに市場価値が上がるでしょう。野手では岡本和真(巨人)がもう一皮むければ面白い。あの長打力は魅力ですよ。侍ジャパンでは目立った実績を残していませんが、能力は高い選手だと思います」
NPBがメジャーの草刈り場になる懸念はあるが、日本人選手の市場価値が高まっていることは名誉とも言える。吉田、千賀がメジャーでどんな活躍を見せてくれるか楽しみだ。(今川秀悟)