巨人の岡本和真
巨人の岡本和真
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 日本球界を代表する選手たちが、大型契約でメジャーに羽ばたいた。

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 ポスティング・システムで驚きの早期決着となったのはオリックス・吉田正尚だ。交渉期間が始まってわずか1日足らずで、レッドソックスと5年総額9000万ドル(約123億2000万円/金額は推定)で入団に合意したことがMLB公式サイトで報じられた。オリックスへの譲渡金は1537万5000ドル(約21億円)が入る見込みだという。

 年俸総額は移籍1年目の日本人野手最高額となる。昨オフ、カブスと5年8500万ドル(当時のレートで約100億5000万円)で契約を結んだ鈴木誠也を超えることを予想した識者は少なかった。年俸に換算すると、1800万ドル(約24億6400万円)となり、レッドソックスの野手の中で3番目に高い。

 メジャーを取材する通信員は、こう分析する。

「コロナ禍が一段落して観客収入、スポンサー収入が増えたことで各球団の懐が潤い、補強費に多額の資金を回せるようになった。加えて日本人選手の評価が相対的に高くなっていることも大きく影響している。野茂英雄、イチロー、松井秀喜から歴史が紡がれてダルビッシュ有、田中将大大谷翔平の活躍で、日本人は野球に向き合う姿勢が真面目で、安定してパフォーマンスを発揮すると、各球団フロントや首脳陣に好印象を抱かれている。レッソドックスは昨季1番を固定できず、一番の補強ポイントになっていたので、出塁率が高い吉田が高い評価を得られた。無理に長打を狙わず、日本でのプレーをそのまま発揮してほしい」

 また、ソフトバンクから海外FA権を行使して米大リーグ移籍を目指した千賀滉大もメッツと5年総額7500万ドル(約102億円)で契約に合意したと、大リーグ公式サイトが報じた。吉田を下回る契約条件となったが、前出の通信員は「能力は文句なしだが、故障歴が多いことがネックになったのだと思います。エースという位置づけではないが、先発ローテーションでケガなく回れば2ケタは勝てるでしょう」と期待を込める。

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