市議への暴言で市長引退を表明した明石市の泉房穂市長。その後、国会議員や知事といった立場での政治活動をめざすのでは、ともささやかれたが、改めてその方向性を否定した。12月24日には記者会見を開き、自ら代表を務める政治団体「明石市民の会」についてや、来年4月の統一地方選で市議選に出馬予定の候補者について発表するという。子育て、高齢者対策に重点を置いた泉市長のこれまでの政策を継承するのが狙いだ。市長候補についてはまだ言及しないという。
「市長やめたら芸能プロダクションに入りませんかという、お誘いまでいただいています。しかし、テレビのバラエティー番組に出たいわけでもなく、まったくそんなつもりはありません。4月末まで明石市長の任期はあります。最後まで市民目線の政策を実現することを目指して走り抜けたい」
そう話すのは、兵庫県明石市の泉房穂市長だ。年末には、いくつもテレビ番組を掛け持ちする「売れっ子」と苦笑する。
2011年に市長に当選後、
「子育てするなら明石」をキャッチフレーズに、子どもの医療費など「5つの無償化」という独自の政策を展開し、人口は10年連続で増え続け、30万人の大台を超えた。
「住みたい街ランキング2022 関西版」(リクルート社)では自治体部門で6位にランクされ、前年の9位から大きくアップした。
政策的には大きな成果が出ている一方で、議会とは緊張関係が続いていた。
10月、泉市長は小学校の記念式典に出席した際、地元の市議に対し、「次の選挙で落としてやる」などと暴言を吐き、市議会で問責決議が可決されると次期市長選への出馬を断念し、引退表明した。
泉市長の「暴言」が問題になるのは、2019年1月に続いて2度目。
「2度目の時は、本当に切れてしまった。すぐにダメだと思い謝罪したが、2度目ですから引退ということで責任をとることにしました」
と振り返る。
開始してから1年、フォロワー約39万人のツイッターも休止した。