週刊朝日ムック『歴史道 Vol.25 真説!徳川家康伝』
週刊朝日ムック『歴史道 Vol.25 真説!徳川家康伝』

──「桶狭間の戦い」で明暗が分かれる今川義元と織田信長について、家康とどのように関わる人物と考えていますか?

松本:元康(家康)は、人質の身でありながら何不自由なく三河よりも栄えた駿府の町で暮らすことができた。自分をそれほど不幸と思わず、ある意味では満足しているように描かれています。そのなかで主君・義元公にはすごく可愛がられます。義元公は、息子氏真と元康は年も近いので、氏真が次期当主になったときに支える人物の一人となるよう、教育をした方という印象ですね。亡くなった後も教えは生きていますし、それが元康の人物形成にも関わっていくと思っています。

 信長に関しては、駿府へ人質として行く前に尾張で会っていて、その記憶が元康にとってトラウマのように残っていたというふうに描かれています。それは「こういう人が強くなっていくんだろう」という憧れのような感情でもあり、自分はそういう人間にはなれないという恐怖と尊敬が入り混じった感じで、だからこそ見つめ続けていく。大名として独立してからも、信長の存在は絶対的に大きく、その言動で元康の行動も左右されるので、常に、頭が上がらない人ですね。

◯まつもと・じゅん/昭和58年(1983)8月30日生まれ、東京都出身。ジャニーズ事務所所属。アイドルグループ・嵐のメンバー。ドラマ『金田一少年の事件簿』で2代目金田一(はじめ)役、ドラマ『ごくせん』、映画『ナラタージュ』などで人気を集める。

週刊朝日ムック『歴史道 Vol.25 真説!徳川家康伝』から抜粋

(インタビュー構成/上永哲矢)

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