例えば反対派が示す意見の一つに、「国のあり方が変わる」というものがある。家制度が廃止された以上、国のあり方と氏を結びつける合理的な根拠は何もないはずだが、漠然と訴えられる反対意見の一つだ。
また選択的夫婦別姓によって「家族の一体感や、夫婦の一体感が壊れる」という意見や、「親子で姓が違うことを理由に子どもがいじめられる」という声も聞かれるが、いずれも実態を調査した結果があるわけではない。
「家庭や人間関係は、姓によって規定されるものではなく、人間同士が築いていくもの。実際に事実婚を選んでいる人たちから話を聞いていると、むしろ夫婦や家族の絆や一体感がより強いと感じます。また親子で姓が違って何も問題がない人もたくさんいる。具体的な根拠も示さず、夫婦別姓に頑として反対する国会議員は、いったい何のために同姓にそこまでこだわるのか」(同)
【後編に続く】>>なぜ、世襲議員に夫婦別姓反対が多いのか 前川喜平氏「父親の価値観を受け継いでいる」