大阪桐蔭高時代には投手、野手の両方で非凡な才能を発揮し、甲子園の春夏連覇に貢献した中日・根尾昂。いずれの能力もスカウトから高く評価をされていたが、中日入団後は遊撃手としてのプレーを決断した。
だが、プロ入り4年目となった昨季までにレギュラー確保には至らず。シーズン途中の6月21日から投手登録となり、今季はプロ入り後初めて投手としての春季キャンプ、シーズン開幕を控えている。
「右投げ左打ち、走攻守3拍子揃ったスタイルなので、立浪2世と期待されていました。監督も自身と似たタイプだったからこそ、適性を素早く見極められたのではないか。(投手転向となったことについて)根尾本人も迷いがなくなって良かったはず」(中日関係者)
野球解説者の宮本慎也氏もYouTubeチャンネル「野球いっかん!」で「外野を今やらせてるけど、もし、うまくいかなかったら投手が良いんじゃないかなと思ってる」というキャンプでの立浪監督の言葉を紹介。チームの将来を担う野手として期待されていたものの、指揮官は投手として本格的に起用することを早い段階で視野に入れていたという。
「外野手としても6個の補殺を記録した肩は非常に強い。陸上、スキーなど他競技の経験者でもあり、全身の筋力がバランスよく発達している。本格的な練習をすれば素晴らしい投手になるはず」(在京球団編成担当者)
中学3年時には最速146キロを投げて「スーパー中学生」として取り上げられた。高校時代も最速150キロを記録し、遠投115mとも言われる強肩が武器だ。また「他競技でも世界レベルのアスリートになれた」といわれるほど身体能力は高く、投手としても素晴らしい潜在能力を秘めている。
「身長177cmと大きくないが、身体能力の高さは折り紙つき。向上心が高く、考えて行動できるのも強み。配球の組み立てや状況判断が常に必要とされる投手向きでもある」(高校時代から知るスポーツライター)