交際していた男性が次々に変死した「鳥取連続不審死事件」で、強盗殺人罪などで死刑判決が確定し、広島拘置所に収容されていた上田美由紀死刑囚が1月14日、夕食中に喉を詰まらせて倒れ、救急搬送されたが、窒息死した。49歳だった。
筆者は8年間におよび、上田死刑囚と面会し、やりとりを続けてきた。
事件が発覚したのは、2009年11月のこと。
鳥取県警の捜査で、上田死刑囚の周辺にいた男性が次々と亡くなっていることがわかり、「鳥取連続不審死事件」と呼ばれるようになった。
筆者も当時、鳥取県に向かい、取材にあたった。そのころ連日、上田死刑囚のニュースがメディアにとりあげられ、大きな騒ぎになっていた。
取材では、少なくとも上田死刑囚の周辺で6人の男性が亡くなっていることがわかった。その中には、鳥取県警の現職刑事や大手全国紙の記者もいて、報道をさらに過熱させた。
詐欺容疑で起訴されていた上田死刑囚は、2010年1月、強盗殺人容疑で逮捕された。立件された事件の被害者は2人にとどまり、他の4人については疑惑のままで終わった。殺害の手口は2人とも同じで、睡眠導入剤を飲ませ、海岸や川でおぼれさせたというものだった。
上田死刑囚は鳥取市の繁華街にあるスナックに勤めていた。上田死刑囚と付き合ったことがあるという男性は、こんな話をしてくれた。
「スナックが終わって、お土産に寿司を買ってやった。すると、家まで送ってくれという。家に着くと、玄関に子供のためか寿司だけおいて、『ちょっと』と指示通り行った先がラブホさ。いきなりでビックリだったよ。ベッドの上ではメロメロになるくらい上手だったな。そんな関係がしばらく続いたが、2カ月ほどして『アパートの家賃を滞納しているの』『プロパンガス代も払えず、子供がごはんを食べられない』と、涙をポロポロさせながらカネをせがむようになった」
上田死刑囚にカネを渡すと、要求がエスカレートしていったという。