「無罪になってここから出てきて、一緒に暮らそうと……。ここにいる私と一緒になってもいいと……」
私が、「獄中結婚も考えていたのか」と聞くと、上田死刑囚はうなずいた。
死刑確定後も、新年には上田死刑囚からの手紙やはがきが毎年届いた。だが、今年は届かなかった。上田死刑囚との面会は20回、届いた手紙は51通に達した。
上田死刑囚は、支援者から差し入れられたかりんとうを、
「嬉しくて一気に食べてしまい、喉が詰まりそうになった」
と話したこともあった。とはいえ、私が面会した上田死刑囚は健康そうだった。
発表された死因が、夕食を喉に詰まらせての窒息だということには、「不審」な思いがする。
(AERA dot.編集部・今西憲之)