(左から)柳田悠岐、森友哉、坂本勇人
(左から)柳田悠岐、森友哉、坂本勇人
この記事の写真をすべて見る

 3月に開催される第5回WBCに向け、侍ジャパンへの期待が高まっている。今大会は大谷翔平(エンゼルス)、ダルビッシュ有(パドレス)、鈴木誠也(カブス)、吉田正尚(レッドソックス)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)と過去最多タイの5人のメジャーリーガーが参戦する。2006年の第1回、09年の第2回WBCで連覇を飾っているが、今回の陣容が「史上最強の侍ジャパン」との呼び声が高い。

【年俸ランキング】2022年セ・リーグ個人年俸上位20傑はこちら

 スポーツ紙記者は、「村上宗隆、佐々木朗希、山本由伸を含めてタレントが勢ぞろいですが、注目度で言えば大谷が断トツです。二刀流での起用法を含め、メディアは一挙手一投足を追いかけるでしょう。侍ジャパンに選出された選手たちからも、『どんなトレーニング、練習をするか身近で見たい』と熱視線を注がれている。投打にメジャーのトップレベルの水準で活躍する選手は今後も出てこないでしょう。同じユニフォームを着てプレーすることは若い選手たちの野球人生で大きな財産になると思います」と語る。

 一方で、出場を打診された選手の中には辞退したケースも。柳田悠岐(ソフトバンク)、森友哉(オリックス)、坂本勇人巨人)は出場を辞退。セットアッパーとして招集が有力視されていた平良海馬(西武)は昨オフに契約更改の席で先発転向を球団に志願し、調整に集中するためWBCに出場しない意向を明かした。

 昨年11月下旬に開催されたカタールW杯で日本代表を取材したサッカーの担当記者は、この現象に驚きを隠せない。

「サッカーではケガ以外で代表を辞退するケースは極めて珍しい。監督とソリが合わなかったり、衝突して代表を追放されたりした選手はいましたが、シーズンに集中したいという理由は聞いたことがない。競技の特性の違いはあると思いますが、興味深い」

 WBCへの出場を辞退したケースは過去にもあった。06年の第1回大会で4番の最有力候補だった当時ヤンキースの松井秀喜が悩んだ末に辞退。この決断は大きな波紋を呼んだ。また、当時ホワイトソックスの井口資仁も当初は参戦に前向きだったが、出場を辞退した。09年の第2回大会では当時ドジャースの黒田博樹、レッドソックスの斎藤隆が出場を見送ったほか、1次候補選手でリストアップされた岩瀬仁紀、森野将彦、浅尾拓也、高橋聡文、和田一浩の中日5選手がコンディション面の不安から辞退した。

次のページ