■脳腫瘍と診断されたら治療法をどう選ぶか

 患者が治療法選びに迷う場合は、何をポイントに治療を選ぶべきでしょうか。

「他の臓器の腫瘍に対する手術のように手術が定型化できないのが、脳腫瘍の難しいところです。腫瘍の部位と脳、神経との位置関係によって危険度が変わるため、さまざまな症例についての経験が豊富で、病状や治療について丁寧に説明してくれる病院、医師のもとで治療を受けることが大切です」(後藤医師)

 いかにからだの機能を温存しながら、腫瘍の切除範囲を決めていくかのバランスは、病院によって差が表れる点であるとも、後藤医師は付け加えます。

 手術を執刀する医師のみならず、麻酔科医や手術看護師、病棟スタッフなど治療チームの総合力も大事です。また、新しい治療の研究などに取り組んでいることも大切です。

「今後は、遺伝子治療なども期待されます。正しいデータに基づいた新たな治療法にも取り組んでいる病院は『いい病院』と言えるでしょう」(川俣医師)

(文・伊波達也)

【取材した医師】
東京女子医科大学病院脳神経外科教授・基幹分野長 川俣貴一 医師
大阪公立大学病院脳神経外科教授 後藤剛夫 医師

東京女子医科大学病院脳神経外科教授・基幹分野長 川俣貴一 医師
東京女子医科大学病院脳神経外科教授・基幹分野長 川俣貴一 医師
大阪公立大学病院脳神経外科教授 後藤剛夫 医師
大阪公立大学病院脳神経外科教授 後藤剛夫 医師

「脳腫瘍」についての詳しい治療法や医療機関の選び方、治療件数の多い医療機関のデータについては、2023年2月27日発売の週刊朝日ムック『手術数でわかる いい病院2023』をご覧ください。

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