投手としてのタイプは異なるものの、同じリリーフタイプとして即戦力の期待がかかるのが橋本達弥(慶応大→DeNA5位)だ。長田高校時代から評判の本格派で、高校3年夏の兵庫大会では準々決勝で優勝した報徳学園に敗れたものの、被安打3、1失点の好投を見せて、この年のドラフト1位で4球団が競合した小園海斗(現・広島)もノーヒットに抑え込んでいる。

 慶応大では3年春からリリーフとして投手陣の一角に定着すると、4年春には最優秀防御率のタイトルを獲得。通算36試合の登板で2勝ながら、防御率は1.19と見事な成績を残した。好調時のストレートは150キロを超え、ボールの角度も申し分ない。カットボール、スプリットと空振りを奪える決め球が2つあるのも大きな強みだ。ここ数年リリーフでフル回転していた三嶋一輝が病気もあって昨年は成績を落としているだけに、1年目から一軍のブルペン陣に加わる可能性は十分にありそうだ。

 年齢的にはここまで紹介した選手より若いものの、好調時の投球を取り戻せばという条件付きで名前を挙げたいのが河野佳(大阪ガス→広島5位)だ。広陵高校時代から3年春の選抜では最速150キロをマークするなどエースとして活躍。大阪ガスでも2年目から主戦となると、社会人の年間表彰の対象となる大会で6勝0敗、防御率0.21という圧倒的な成績を残し、最多勝、最優秀防御率、ベストナインのタイトルを総なめにした。

 3年目の昨年は相手チームから研究されたこともあって成績を落としたものの、それでもドラフト後に行われた日本選手権では復調の兆しを見せたのは好材料だ。今年で22歳とは思えない投球術と制球力の高さが持ち味で、好調時のストレートは150キロも超える。一昨年のような投球ができれば、いきなり1年目からローテーション争いに加わることも十分に期待できそうだ。

 河野と同じく高校卒3年目でプロ入りした投手では林優樹(西濃運輸→楽天6位)、富田蓮(三菱自動車岡崎→阪神6位)の2人も実績はそれほどないものの、着実な成長を見せており、貴重なサウスポーだけに楽しみな存在となりそうだ。

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育成の即戦力候補