
すでに各チームがキャンプインした日本のプロ野球では、新たなシーズンへ向けての編成はどのチームもほぼ完了したと言ってもいいだろう。
だが、メジャーリーグでは今月下旬から始まる春季キャンプを目前に控えてはいるが、実績のある選手も去就が決まらず、いまだにフリーエージェント(FA)となっているケースも少なくない。
まず、最も大物で所属先が決まっていないのがサイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアー(前ドジャース/32歳)だ。バウアーは2020年にサイ・ヤング賞を受賞し、メジャーでも屈指の力を持った投手ではあるが、ドジャースに移籍した2021年にドメスティック・バイオレンス(DV)が発覚。同年7月に規定違反で制限リスト入りし、その後MLBから出場停止の処分が科された。今季開幕には処分が解かれ、試合に出場することが可能にはなっているが、今年1月に所属していたドジャースが同投手との契約を解除することを発表した。
春季キャンプ開始まで残り3週間程度となっているが、いまだ移籍先は決まっておらず、現地でも去就が話題となっている。選手としての能力は申し分ないが、出場停止の理由が理由なだけに各チームともにバウアーとの契約にはついては二の足を踏んでいる状況が続いている。
これまでメジャーで10年間プレーし、通算83勝をマークした右腕は過去に日本球界入りに言及するなど、状況によってはMLB以外でのプレーも噂されている。
実際、現地のスポーツメディア『FANSIDED』のサイトも、アディソン・ラッセル(韓国リーグに移籍)など過去にDV問題を起こした選手が、のちに外国のリーグでプレーした例を挙げつつ、バウアーにとっても、それが「選ぶべき道」になるかもしれないという内容の記事を掲載。同サイトは、実戦から約1年半遠ざかっているバウアーにとって、試合での感覚を養うために外国で1年間プレーすることは“良い機会”になるとしている。