――社会風潮として是認させない、というのはどういうことですか?
荻上 山上氏を英雄視するとか、支援するような行為が社会一般の風潮にならないようにする、ということです。
菊池 そう、思います。ただ、英雄視、英雄視ってよく言われますが、減刑を求めて署名した人は本当に彼を英雄視しているのかな、と疑問に思っています。
――つまり、「署名する人=英雄視する人」と、言っているのはメディアにすぎないと。
菊池 そうです。彼がこういう事件を起こさなかったら私たちの問題は知られなかったんだよね、という人が大勢いて、それが署名に結びついているのだと感じています。署名の多さは英雄視の結果ではなく、彼のことをかわいそうに思う、同情票に近いものではないでしょうか。
■自浄作用のない団体は大転換を
――今、文部科学省が旧統一教会に対して宗教法人法に基づく「質問権」を行使しています。そこで違法性が確認されれば文科相は裁判所に「解散命令」を請求することになります。
荻上 2世の子どもたちに対し、社会通念上、有害な経験を強要し続ける団体については、大きな転換が必要だと思います。一方、自浄作用が期待できる宗教団体に対しては、それを求める声を上げていくことが重要です。
菊池 創価学会と関係が深い公明党の議員にも、そういう議論の場に加わってほしいですね。
(構成/AERA dot.編集部・米倉昭仁)