■柏「B」

 素早い動きだった。ネルシーニョ監督の下で昨季7位に終わったチームを進化させるべく、高い身体能力を持つCB立田悠悟(←清水)と左右両サイドでプレー可能な片山瑛一(←清水)をJ2降格クラブから獲得。さらに3バックの一角として攻守に高い能力を見せていたジエゴ(←鳥栖)、展開力と泥臭さを兼備してボランチとCBでプレー可能な高嶺朋樹(←札幌)、さらに攻撃陣にも抜群のテクニックで高い創造性を持つ山田康太(←山形)と経験豊富な万能アタッカーの仙頭啓矢(←名古屋)も獲得。有能な人材を多くチームに加えた。

 さらにMF落合陸(←東京国際大)、MF澤和希(←流通経済大)、FWオウイエ・ウィリアム(←日本体育大柏高)と新人の獲得も積極的だった。ユースからもFW山本桜大(←柏U-18)、MFモハマド・ファルザン佐名(←柏U-18)の2人を昇格させ、新加入は計13人にのぼった。ただ、右サイドの大南拓磨に加え、3バックのレギュラーだった高橋祐治、上島拓巳が他クラブへ移籍し、最終ラインの選手層が不安ではある。守備陣の問題を解決できていれば「A」評価だった。

■FC東京「A」

 新たなスタイルを植え付けながら6位という結果を手にしたアルベル監督体制1年目を終え、オフは足りない部分の「穴埋め」と「世代交代」に力を入れた。

 補強の目玉は、2019年のリーグ得点王&MVPの仲川輝人(←横浜FM)。怪我と不振を乗り越え、昨季7得点6アシストと復活した上で新天地での挑戦を決断した。前線には第4のブラジル人アタッカーであるペロッチ(←シャペコエンセ)も獲得し、大型ストライカーの熊田直紀(←FC東京U-18)、力強いドリブルが武器の荒井悠汰(←昌平高)と期待の逸材も加入。大卒アタッカーの西堂久俊(←早稲田大)も即戦力として計算できる。コンビネーションの確立は課題だが、誰が離脱しても長いシーズンを戦い抜ける攻撃陣が揃ったと言える。

 さらに中盤には「鳥栖の心臓」だった小泉慶(←鳥栖)と2種登録時代にデビュー済みの大卒MF寺山翼(←順天堂大)、左サイドバックにはJ2で3位と躍進した岡山で効果的な働きを見せ、ロングスローという飛び道具を持っている徳元悠平(←岡山)を獲得。退団者の数も多いが、戦力的にマイナスになり得るのは紺野和也ぐらい。GK野澤大志ブランドン(←岩手)を復帰させ、熊田以外にもアカデミーから昇格させた俵積田晃太(←FC東京U-18)、東廉太(←FC東京U-18)、土肥幹太(←FC東京U-18)も楽しみ。「現在」と「未来」の両方に期待を持てる陣容となった。

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