ところがウィザーズと八村は、ルーキー契約以降の延長契約に合意することなく、2023年オフに制限付きフリーエージェントとなることが確定。ウィザーズには、八村のライバルとなるカイル・クーズマとデニ・アヴディアがおり、八村の起用法には頭を痛めていたということだろう。実際、ウィザーズのトミー・シェパードGMは、インタビューでアヴディアの成長を促すことが八村放出の理由とコメントしており、八村は来季構想外だったということ。トレード前には八村が「望まれるところでプレーしたい」と放出を希望する言葉を残しており、八村もそんなチーム事情を察知していたということだろう。

 そんな経緯もあった上でレイカーズ入りした八村だが、メディアはこの移籍に対して好意的な印象を受けているようだ。

 例えば、地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」では、トレード直後に「レイカーズの八村塁の移籍は大型トレードではないが賢明な一手」とし、「八村は、いわゆる“お買い得”選手。サイズもある他、今のPFに求めるシュート力もある」と評価した。

 また現役選手からもレイカーズのトレードを吉とする言葉も飛び出している。ウォリアーズのドレイモンド・グリーンは自身のポッドキャスト「ドレイモンド・グリーン・ショー」で、「ルイのトレードはレイカーズにとって非常に良いことだ。いつだって、長さと運動能力は役に立つ。ルイは、複数ポジションを守れるし、コートを大きく使えて3ポイントも打てる」と言及。さらには、3ポイントだけでなく、プレーオフで必須となるミッドレンジでの活躍も見込まれると付け加えるほどだ。

 現在、米放送局「TNT」で解説を務めるシャキール・オニール氏が、八村の古巣レイカーズ入りについて「トップ10の選手でもなければ、俺は(八村を)知らない」と語り批判を浴びたが、八村はレイカーズに足りなかったピースだったとして概ね高評価を得ているようだ。

 八村にとっても今回のトレードは非常に有意義なものとなっているはずだ。何しろレイカーズは歴代最多タイとなるリーグ優勝17回の名門中の名門。ジェリー・ウエスト氏、カリーム・アブドゥル・ジャバー氏、マジック・ジョンソン氏、故コービー・ブライアント氏など“パープル&ゴールド”のユニフォームに長年袖を通したレジェンドを挙げればきりがない。

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八村の気になる“今後”