日本語に翻訳すると以下のようになります。

「アトピー性皮膚炎の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)から承認されている生物学的製剤は以下のとおりです。

 デュピルマブ。アトピー性皮膚炎の発症に関与するインターロイキン-4(IL-4)およびインターロイキン-13(IL-13)という二つのシグナル伝達タンパク質の活性を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体であり、アトピー性皮膚炎の発症に関与する。


 リサンキズマブ。アトピー性皮膚炎の発症に関与するシグナル伝達タンパク質であるインターロイキン-23(IL-23)の活性を阻害するヒト化モノクローナル抗体です。


 レブリキズマブ。アトピー性皮膚炎の発症に関与するシグナル伝達物質であるインターロイキン13(IL-13)の活性を阻害するヒト化モノクローナル抗体です」
この回答をみて私はかなり驚きました。理由は、最新の治療が説明されつつ、専門家でも判断に悩む情報が含まれていたからです。

 まず、1番のデュピルマブは既に日本でも使用可能な薬剤です。アトピー性皮膚炎の新薬として効果的であり、注目を集めています。次に、3番ですが、臨床試験で効果がみられた薬剤です。しかし、開発元のイーライリリーのプレスリリースを参照すると、2022年にFDAに承認申請を出しており、まだ正式には使えない薬のようです。エビデンスレベルでは間違っていませんが、FDAが承認したというChatGPTの記載は間違いでしょう。

 問題は2番の回答です。これは日本でも既に使える薬剤ですが、対象疾患がアトピー性皮膚炎ではなく尋常性乾癬(かんせん)という別の皮膚疾患です。しかしややこしいことに、記載の中にあるIL-23というタンパク質はアトピー性皮膚炎でも関与が考えられているため、専門家でも一瞬悩む情報になりそうです。専門誌で調べ直してみると、IL-23を標的としてもアトピーはあまり改善せず、薬の開発は中断しています。つまり、2番は専門家向けの引っ掛け問題に近い間違いです。

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正しい最先端の情報にまぎれて間違い