同じくベルギーでプレーする橋岡大樹(シントトロイデン)の継続した働きぶりも見逃せない。1999年5月17日生まれの23歳。浦和の下部組織で育ち、トップ昇格後3シーズンを主力として過ごした後、2021年1月にシントトロイデンへ移籍。すぐさま右SBのレギュラーに定着すると、2年目の昨季はリーグ戦30試合に出場して4アシストを記録し、今季も2月までの27試合中25試合に先発出場(途中出場1試合)して3アシスト。身長184センチの恵まれた体格を生かして、守備では対人能力の高さを発揮し、攻撃ではダイナミックな攻め上がりでチャンスを演出。まだ年齢的には若いが、貫禄すら漂わせるプレーを見せている。日本代表では酒井宏樹の有力な後継者として、欧州5大リーグへの移籍が間違いなく近づいている。

 日本人選手が多くプレーするベルギーの中でもう1人、坂元達裕(オーステンデ)に触れたい。1996年10月22日生まれの26歳。必殺の切り返しフェイントを武器に、J2・山形から2020年に移籍したC大阪でブレイクし、翌年には日本代表デビューを果たした。2022年1月にオーステンデに加入して以降も切れ味は健在。デビュー戦でいきなりアシストを記録して主力に定着すると、今季は序盤の故障離脱から復帰して以降は左右のウイングバックの位置から鋭いドリブル突破を披露し、ここまで27試合中23試合に出場して4アシストを記録している。チームは2月終了時点で18チーム中17位と降格圏(下位3チームが自動降格)に低迷しているが、その中で孤軍奮闘している坂元に対しての評価は高い。このまま2部降格となっても、坂元自身は他クラブから引き抜かれるだけのパフォーマンスを披露している。

“目立たない”という意味では、ポルトガルでプレーを続ける藤本寛也(ジル・ヴィセンテ)の名前が挙がる。1999年7月1日生まれの23歳。東京Vの下部組織で磨いた高度なテクニックを武器とするゲームメーカー。2020年8月にジル・ヴィセンテに加入すると、1年目からリーグ戦27試合に出場(1得点2アシスト)し、2年目の昨季は32試合出場(3得点2アシスト)と不動の地位を確立し、チーム5位フィニッシュの功労者となった。迎えた3年目の今季も正確かつ繊細なパスでリズムを作りながら鋭いドリブルでアクセントもつけ、2月までの全22試合に先発出場(2アシスト)している。日本時代はJ2のみのプレーだった故に一般層への知名度は高くないが、世代別代表では常にチームの中心だった逸材。背番号「10」は高い能力の証。今後、欧州強豪クラブへのステップアップを果たして、自身のニュースバリューを高めたいところだ。

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