ポルトガルのジル・ヴィセンテでプレーする藤本寛也(ロイター/アフロ)
ポルトガルのジル・ヴィセンテでプレーする藤本寛也(ロイター/アフロ)
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 カタールW杯後、欧州各リーグで日本人選手たちの“ド派手な”活躍が目立っている。圧巻のドリブル&ゴールショーを披露した三笘薫(ブライトン)、3試合連続MVPの久保建英(ソシエダ)の2人を筆頭に、2月最終週には古橋亨梧(セルティック)が日本人欧州公式戦の得点記録を更新(24得点目)し、伊東純也(スタッド・ランス)は本拠地で1得点2アシストと躍動した。

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 その他、冨安健洋(アーセナル)や南野拓実(モナコ)は苦しんでいるが、鎌田大地(フランクフルト)、堂安律(フライブルク)、遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(スポルティング)、板倉滉(ボルシアMG)、上田綺世(セルクル・ブルージュ)といったW杯出場組の多くが所属クラブに戻ってからも充実した日々を過ごしており、旗手怜央(セルティック)、菅原由勢(AZ)の落選組も好パフォーマンスを披露。中村敬斗(LASKリンツ)は強豪クラブから熱視線を送られる注目の存在となっている。

 だが、「活躍中」なのは彼らだけではない。目立たなくてもしっかりとチームの戦力となり、あまり話題にならずとも着実に実績を積んでいる日本人選手たちも多くいる。

 その内の1人、ベルギーリーグで奮闘を続けているのが、渡辺剛(コルトレイク)だ。1997年2月5日生まれの26歳。大卒1年目から3シーズンにわたってFC東京の主力として活躍した後、2021年12月にコルトレイクに移籍した。最初の半年間は14試合中7試合の出場に留まったが、その苦しい時期を乗り越えた今季は、監督交代があった中でも不動のレギュラーとして2月までの全27試合に先発フル出場。3バックの一角に加えてボランチでもプレーしながら持ち前の守備能力の高さを発揮している。

 空中戦、地上戦を問わず、屈強なFW陣を相手に何度もボールを奪って評価を高めている。チームは2月末時点で18チーム中14位だが、W杯後は4勝3分3敗と調子を上げており、その中で渡辺の貢献度も高い。日本代表では2019年12月のE-1選手権に出場した経験があるが、当時から多くの経験を積んでおり、再び日本代表のユニフォームに袖を通す準備を整えつつある。

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ベルギーでは他にも“評価”を上げる日本人