ポルトガルではもう1人、すでに話題になってはいるが、GK中村航輔(ポルティモネンセ)にも触れておきたい。1995年2月27日の28歳。柏の下部組織育ちで、2016年にJ1デビュー。翌2017年に日本代表デビューを飾ると、2018年のW杯ロシア大会のメンバー入りも果たした。2021年にポルティモネンセに移籍して以降、レギュラー争いに敗れて1年半に渡ってベンチを温める日々が続いたが、2022年夏の移籍で正GKサムエル・ポルトガルがFCポルトへ移籍して状況が一変。レギュラー昇格を果たすと、9月から2月までのリーグ戦全18試合に先発出場。髭&坊主頭のワイルドな風貌を披露するとともに優れたシュートストップ能力を遺憾なく発揮している。チームの順位は18チーム中11位だが、中村にプレーに対しての評価は高く、このパフォーマンスを続けられれば、日本代表への扉も再び開かれることになるはずだ。

 その他、ベルギーでは林大地(シントトロイデン)が奮闘を続け、再加入した原大智(シントトロイデン)も2月は3試合に先発出場、町田浩樹(ユニオンSG)も故障から戦列復帰を果たしている。ポルトガルでは冬に加入した三竿健斗(サンタクララ)がすでにスタメンに定着しており、田川亨介(サンタクララ)、斉藤光毅(スパルタ/オランダ)や、さらに上月壮一郎(シャルケ/ドイツ)といったFW陣もアピールを続けている。

 彼らはJリーグのチームならば間違いなく主力として働き、大きな注目を集められる選手たちだが、サッカー選手としての「夢」を追うべく、日本から遠く離れた土地で勝負の日々を過ごしている。例え今は日本に届けられるニュースが少なく“目立たない”存在だとしても、彼らの奮闘と成長が、日本の“サッカー国力”を高めることになる。(文・三和直樹)

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